システム屋におけるツンデレ効果?

(GWに後輩たちと集まった際にふと話題に上ったお話です)


システムの保守なんかをしていると、「もうとにかく何が何でも超特急で対応してくれ!」といった話が舞い込むことがあります。
すぐに対応できるものならば受けないことも無いですが、それが定時後+ちょっと大変な内容で、かつ「明日、朝一で」なんていう素敵オプションがついていたりすると、正直いかがなものかと思ってしまいます。


ビジネスライクに言えば、対応範囲外のトラブルでもない要件につきあう義理は無いのでしょうが、客先常駐だったりするとあまりドライになると正直おまんまの食い上げにもなりかねません。
そこで仮にその話を受けるとしたときに、受け方には2通りの対応があると思います。
一つめは、「いいですよ、やりましょう」とあっさり受けること
二つめは、「何時だと思っているんですか、無理ですよ」といったん突っぱねつつも結局受けること
さて、この2つは果たしてどちらがお客様の喜びが大きいのでしょうか?


普通に考えると「いいですよ、やりましょう」すぱーんと受けてもらった方が、頼んだ方は気が楽です。
実際私も過去に、不平たらたらで仕事をするチームメンバーに「どうせ受けるんなら、気持ちよく受けてくれ」とかマジ切れしたことがあったようななかったような気もします。
このことから考えるに、後者はやはり何となく悪い印象を相手に与えてしまうものなのでしょうか?
私は最近そうでも無く思えてきています。


気持ちよさの要素の一つに「落差」、「ギャップ」というものがあると思います。
想定を裏切って意外な結果に至るほど、心地よさは増大します。


大概において前述の例のように定時後に無理を言ってくるようなパターンは、要求を受けてもらえることを多分に想定してのことかと思います。
「少々無理な気もするけどまぁ、やってくれるだろう」とか、「こちらは顧客なんだから嫌とは言わないだろう」といった期待感が感じられます。
ですので、そのまま受けた場合期待感のベクトルと結果のベクトルがほぼ同じ方向を向いていると言えます。
受ける/受けないをベクトルで表した場合、「どちらかと言えば受けてくれるだろう」といったベクトルは、角度にして大体45度程度*1位でしょうか?
一方後者のように一旦突っぱねたりすると、期待感のベクトルは一気に受け入れられない方向に向きます。
そして、結果的に受け入れたとき、期待感と結果のベクトルは反対方向を指しています。
角度にすると180度。素直に受けたときの4倍の開きがあります。


これに加え、心に起こる状態遷移数(謎)を数えると、
前者は「期待」→「満足」という1つの状態遷移にすぎないことに対し、
後者は「期待」→「逆転」→「絶望」→「逆転」→「満足」という連続コンボになります。
つまり結果は同じであるのに一旦突っぱねた方が、心の動きは多くかつギャップも激しいという結果となります。
落差の激しさと心の動きの多さの相乗効果で前者よりも後者の方が、「無理をおしてやってくれる」という印象を受けるのでは無いでしょうか?


そう考えると、唯々諾々と相手の言うことを聞く人よりも、ちょいとツンデレ気味の方が実は印象が良くお得なんじゃないでしょうか?
#後輩には「そこにツンデレを持ってきますか」と突っ込まれましたが…(^^;


…とまぁ、かなり無理矢理気味に展開してみたわけですが、
まじめな話をすると、大変で無理な仕事を振られたときには、まずはその「無理」さ「大変」さを認識してもらってはじめて正しく評価していただくことができるのだと思います。そういう意味からすると、後者の例は一見ツンデレ属性かと思わせますが、実は正しく評価をしてもらうための努力をしているわけで、「無理で大変なことをしてくれた」と高評価をうけて当たり前、逆に前者の方はアピールが足りず不当な評価を得ていると言えるではないでしょうか?
#とはいえ逆に「無理」でも、「大変」でも無いのに大仰に騒ぎ立てると信頼を失います。


結局のところお互いの良好な関係を築くためには、正しい基準の下正しい対応をとって行くことが、つくづく重要だよなぁ…なんて考える今日この頃です。

*1:根拠レス